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世界史に興味はあるけれど、何から手をつけたらいいかわからない人のためのレビュー
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ローマ人の物語〈6〉― パクス・ロマーナ

前書きにあたる「読者へ」の最後の部分、

天才の後を継いだ天才でない人物が、どうやって、天才が到達できなかった目標に達せたのか。それを、これから物語ってみたい。
これで、もう、ぐっときました。

 

ここでの天才とは、カエサルのことなのですが、カエサルの後を継いだアウグストゥスは、カエサルとは全く違うタイプの人物です。

彼は共和政にすべてを戻して共和派の人々を熱狂させながら、その実、あとから振り返ればその時に帝政が始まったとしかいいようがないような政治を、用意周到にすすめていきます。

それは、独裁とも言える強力なリーダーシップを発揮しながら、アテネの民主政全盛を築き上げたペリクレスにも通ずるものがあります。

ただ、アウグストゥスは弁論はさしてうまくなく、戦争ははっきり言ってヘタなのですし、家庭はうまくいかず心底悩めるお父さんになっているのですが、その「持続する意志」はただただ感嘆する以外にないでしょう。


塩野七生『ローマ人の物語〈6〉― パクス・ロマーナ』

文庫本もあります:塩野七生『ローマ人の物語〈14〉パクス・ロマーナ(上)』

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