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世界史に興味はあるけれど、何から手をつけたらいいかわからない人のためのレビュー
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モンゴル帝国と長いその後 (興亡の世界史)

世界の一体化というと、通常15世紀後半からの、コロンブスに代表される西ヨーロッパ主体の海からの交流圏の拡大を指すことが多いですが、
実際には、すでに13世紀のモンゴル時代にユーラシア~アフリカの陸・海を含める、壮大な世界の一体化が進められていました。

よく、チンギス・ハーンをはじめとするモンゴル軍は残虐だったといわれますが、彼らは意識的にそういうイメージを広めることにより、犠牲者を最小限に食い止めようしていたらしいことや、
実にいろいろな人々を含有するモンゴル帝国では、個人の信仰の自由が守られていたことなどが、次々と語られています。

東西をつなぐスーパーハイウェイを実現し、世界規模の交流と繁栄をもたらすかにみえたモンゴル帝国ですが、
14世紀には皮肉にもそのスーパーハイウェイを通ってペストがユーラシアを席捲してしまいます。

まだまだ、モンゴル帝国の研究は進んでません。
けれども、徐々に明らかになってきているモンゴル帝国の真実の姿は、実に興味深く、感動的です。


杉山正明『モンゴル帝国と長いその後 (興亡の世界史)』

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ローマ人の物語〈6〉― パクス・ロマーナ

前書きにあたる「読者へ」の最後の部分、

天才の後を継いだ天才でない人物が、どうやって、天才が到達できなかった目標に達せたのか。それを、これから物語ってみたい。
これで、もう、ぐっときました。

 

ここでの天才とは、カエサルのことなのですが、カエサルの後を継いだアウグストゥスは、カエサルとは全く違うタイプの人物です。

彼は共和政にすべてを戻して共和派の人々を熱狂させながら、その実、あとから振り返ればその時に帝政が始まったとしかいいようがないような政治を、用意周到にすすめていきます。

それは、独裁とも言える強力なリーダーシップを発揮しながら、アテネの民主政全盛を築き上げたペリクレスにも通ずるものがあります。

ただ、アウグストゥスは弁論はさしてうまくなく、戦争ははっきり言ってヘタなのですし、家庭はうまくいかず心底悩めるお父さんになっているのですが、その「持続する意志」はただただ感嘆する以外にないでしょう。


塩野七生『ローマ人の物語〈6〉― パクス・ロマーナ』

文庫本もあります:塩野七生『ローマ人の物語〈14〉パクス・ロマーナ(上)』



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